【美容室売却のプロが伝授】
サロン売却の相場感や高値で売る方法とは?

【美容室売却のプロが伝授】
サロン売却の相場感や高値で売る方法とは?

美容室(美容院)の売却を検討しているものの、相場や方法がよくわからないとお悩みの方も多いことと思います。美容室や美容院、サロンの売却は増加傾向にあり、店舗の売却には居抜きやM&Aなど、いくつかの選択肢があります。そこでこの記事では、美容室を売却する方法や売却相場、高く売るコツについてまとめました。


■美容室・美容院の売却は可能か?比較的経営規模の小さな美容室を経営している方の中には、自店舗の売却は難しいと考えている方もいらっしゃるでしょう。結論から言えば、小さな美容室・美容院・サロンであっても、店舗の売却は可能です。

立地条件などにもよりますが、「1店舗しか持っていない」「法人化していない」「ひとりで経営している」といった場合でも、お店を売ることができます。

「店舗の売却」と聞くと、チェーン店を展開しているグループが業績に合わせて店舗整理をしたり、高い業績を上げている大企業が、特定の事業に対して行ったりするもの、というイメージがあるかもしれません。しかし、近年は美容室に限らず、飲食店や販売店など、多くの店舗において、売買が活発に行われています。

美容室の売却においても、居抜き・M&A・運営委託と、さまざまな方法があります。現状に合わせてベストな方法を選ぶことで、より高い値段で売ることができるでしょう。たとえば、次のような場合には、美容室の売却を検討してみる価値がありそうです。

ビジネスの選択肢を増やしたい

美容室や美容院の店舗数は、年々増加しています。厚生労働省が2021年2月18日に発表した「令和元年度衛生行政報告例」では、2019年の美容所(美容室・美容院・ヘアサロン)の店舗数は、25万4422軒。2009年の22万3645店舗と比較すると、ここ10年で約3万店舗も増加していることになります。 

こうした現状から、店舗の経営のことばかりをシビアに考えてしまうと、柔軟な発想や経営を楽しむ気持ちを失ってしまうことがあるかもしれません。

確かに、働きやすいお店作りや、お客様へのよりよいサービス、安定した経営方法などを考えることは大切です。しかし、もっと自由に経営を楽しみたい、その他のビジネスにも挑戦したいという思いが強いのであれば、美容室の売却もひとつの方法です。

経営者を引退したいが後継者が見つからない

健康や年齢的な問題によって、店舗経営を引退したいと考えているのに後継者が見つからない場合も、美容室の売却が解決策のひとつになるかもしれません。

美容師という仕事に責任と誇りを持ち、ご自身が経営している美容室に愛着を持っている方が後継者になってくれたらベストですよね。

しかし、後継者問題は社会全体でも問題となっているくらいで、後継者を探すのは至難の業。不安を感じる方を後継者にするくらいなら、売却して、今後の資金を作るほうが賢いかもしれません。

運営している店舗を辞めて、新たな店舗を出店したい

ご家庭の事情で遠方へ引っ越ししたいときや、複数人で運営している美容室から離れて、ひとりでお店を運営したいといった場合にも、売却という方法が検討できます。

M&Aや運営委託などの方法であれば、経営者という立場からは退いても、美容室自体を仕切るポジションとして残ることも検討できますし、買い手となる企業やグループが豊富な資金を持っている場合には、新しい店舗を増やす以上の売却益を得ることができるかもしれません。

ゆとりのある生活を送りたい

経営から退き、もう少しゆとりのある生活を送りたいなら、美容室の売却が良い選択になるかもしれません。単に経営をやめたいというならば、廃業も選択肢のひとつですが、美容室の売却ができれば、より多くの資産を確保できる可能性があります。また、選択肢のひとつとして、運営委託という方法も検討できます。

運営委託は、今まで経営していた(働いていた)美容室や美容院に残りつつ、経営のみを他の企業へ任せる方法です。運営を委託された会社は、費用の負担や集客、求人などを行い、店舗オーナーは、それ以外の店舗の管理や業務を行います。店舗の所有と経営が分離しているのが特徴的です。

その店舗に残って働くかどうかも、オーナーは自由に決めることができるため、経営の仕事は辞めたいが、美容師は続けたい、お店は残したい、といった場合にとれる選択肢となるでしょう。

このように、美容室(美容院)の売却によって、さまざまなことが可能になります。もし、上記のいずれか、あるいは類似する状況にあれば、売却を検討してみてはいかがでしょう。
目次へ戻る

■売却方法居抜き・M&Aの違い

店舗の売却を検討するためには、「どのような形で売却するのか」で今後が大きく異なります。店舗の売却には、以下のような方法があります。

居抜き売却(造作譲渡)

居抜き売却とは、椅子・鏡・シャワー台など、店舗にある設備をそのまま(あるいはその一部を)残して売却する方法で、開業時に必要な初期費用を抑えられるのが特徴です。

買い手は初期費用を抑えることができ、売り手は売却するギリギリまで営業を続けられるなど、双方にメリットのある方法です。実際、美容室だけでなく、飲食店や販売店などの売却においても、「居抜き売却」はもっともポピュラーな売却方法となっています。

M&A

M&Aとは「Mergers and Acquisitions」(合併と買収)の略で、簡単に言うと「お店の状態はそのままで売る方法」です。M&Aを行う方法は、売り手が所持する全株式を買い手に売却する「株式譲渡」や、価格付けした事業の一部を売却する「事業譲渡」、売り手が買い手とひとつの会社になる「合併」があります。

もっともスピーディーなM&Aは、「株式譲渡」ですが、株式を持たない美容室はこの方法を取ることができません。一方、事業譲渡や合併は、手続きが複雑であったり、余計なコストや手間がかかったりする傾向にあるようです。

とはいえ、より大きなブランド力を持つ企業が買い手となれば、集客力のアップにつながることもあり、従業員の雇用を守ることができる点は魅力的です。

このように、美容室・美容院・サロンの売却にはいくつか方法があり、それぞれに特徴があります。なぜ売却を考えているのか、売却後どうしたいのかといった状況によっても、ベストな選択が変わってくるでしょう。
目次へ戻る

■売却方法によるメリット&デメリット

ベストな売却方法を選ぶためには、それぞれのメリット・デメリットも把握しておく必要があります。双方を確認し、自身に合った方法を選択していきましょう。

居抜き売却(造作譲渡)のメリット&デメリット

居抜き売却のメリットは、設備がそのまま残っているため、売り手は売却のギリギリまで営業を続けることができます。さらに、テナントとして入っている場合、退店する際に必要な原状回復費用も、居抜き売却であれば負担する必要がありません。(造作譲渡が可能である場合)

居抜き売却のデメリットは、売却後に設備や備品に不具合や障害が発生し、営業が開始できなくなった際、損害賠償や契約解除に発展する可能性があることです。売却契約を締結する前に、設備の動作確認をしっかりしておき、必要なメンテナンスがある場合などは、買い手に伝えておきましょう。

M&Aのメリット&デメリット

M&Aは、居抜き売却と同様、原状回復等の閉店費用を抑えられること以外にも、売却対象物が増えるメリットがあります。たとえば、最近の設備が揃っていたり、優秀な美容師が在籍していたりすれば、売却額のアップが期待できるでしょう。また、M&Aであれば働いているスタッフをそのまま店舗に残せるため、スタッフの今後を心配する必要もありません。複数の店舗があり、今後の成長が見込めると判断されれば、数千万円の高値で売却されることも少なくありません。

一方、利益が高くなる半面、どうしても評価や手続きに手間と時間がかかるのが、M&Aのデメリットです。M&Aの場合「従業員が何人引き継げそうか」「どの程度利益を上げているか」ということも評価対象になるため、従業員のプロフィールや過去の決算資料等の経営データなどが必要になります。

その結果、買い手側の利益になりにくいと判断された場合には、売却に至らないケースもあるでしょう。もちろん、赤字の場合でも立地がよかったり、なにかしらの理由で売り上げが落ちていたりしている場合には、売却につながるケースもあります。

しかし、なるべく手間も時間もかけたくない、早く売りたいという場合、M&Aは不向きな売却方法かもしれません。

運営委託のメリット&デメリット

運営委託のメリットは、運用業務から解放されつつも、店舗を残せるということがあげられます。集客や求人といった費用も、運営側が負担することになるため、そうした費用すべてを計算しつつ、美容室の先行きに頭を悩ませる必要がありません。

デメリットとしては、運営委託している企業へロイヤリティの支払いが必要なことや、運営委託した企業が倒産してしまうと、委託契約自体が破棄されてしまうことがあげられます。
目次へ戻る

■美容室を高く売る方法

美容室を売却するなら、一番高い価格で売却したいですよね。ここでは高値で売るために、チェックしておきたいポイントを紹介していきます。まずは相場を把握し、そのうえで売却価格を高くするコツを抑えていきましょう。

売却額の相場を把握する

美容室の売却額は、条件や評価によって異なるため、はっきりとした相場があるわけではありませんが、実態としては300万円~1200万円で売買されることが多いようです。

売却方法別では、居抜き売却(造作譲渡)であれば数十万円~300万円が相場で、M&Aの場合は、資産価値対象や営業利益なども評価対象に含まれるため、売却額はそれに応じて高くなる傾向にあります。ただし、評価対象が増える分、取引や手続きに時間がかかる可能性が高いでしょう。こういった背景から、よりスムーズでスピーディーな売却という観点から、居抜き売却を選ぶ経営者が多いようです。

競合店との差別化を明示する

美容室を高く売りたい場合には、それだけの価値があると買い手に納得させる必要があります。貴金属や宝石などの価値が高いのは、その希少性ゆえです。美容室や美容院、サロンも同じく、「この店舗では、ほかにはない○○ができる」というアピールが欠かせません。

たとえば、優れた営業モデルによる「売上実績」や、受賞歴のある確かな技術を持つ美容師がいるという「スタッフの質」などは、M&Aにおいてかなり重要な要素になります。また、カットやカラーリングだけでなく、ネイルやまつエク、着付けなど、「幅広いメニュー展開」や、それを可能にする「充実した設備」などは、居抜き売却であっても評価対象になるでしょう。

加えて、駅チカ・駅ナカ・交通量が多い・住宅街が近い・アクセスが良いなどの立地はとても重要です。メニューやスタッフの充実は後から充実させることもできますが、立地だけは動かせないため、もっともアピール力の強いポイントとなるでしょう。

根拠に基づき、今後の収益性を提示する

買い手に「よし、買った!」と決断してもらうためには、過去の売り上げのほか、根拠に基づき、今後の収益性についても提示するとよいでしょう。M&Aの場合にはこの収益性がもっとも重要になりますし、居抜きの場合も一定の収益性を提示することで、買い手の印象がよくなります。

今後の収益性の根拠となるのは、展開しているメニューやサービスが、売り上げの何%を占めており、それを維持するためのコストはいくらなのか。指名の多い美容師がいるなら、その美容師の評価が高い理由を。客層の性別や、年齢なども貴重なデータになります。

立地も含めてこれらをアピールする必要があるでしょう。たとえば、近くに学校や施設があるとか、住宅街があるならどのような人が美容室に足を伸ばすとか。今後の開発によって、さらなる収益アップが見込めるなどが予想できれば、今後の収益性を数値化してアピールしてみてください。

もちろん、「予測」の範疇ではあるものの、こうした根拠のある数値化されたデータがあるだけで、買い手がその美容室対する価値が変わってきます。理想の売却額に近づけるためには、必要なプロセスといえるでしょう。

交渉全体として注意したいのは、必ず「落としどころ」を見つける必要があるということです。思い入れが強いために、「絶対にここは譲らない」という姿勢を見せると、交渉が上手くいかないこともあります。売却額には、根拠のある数字とセットであることを明記しておきましょう。
目次へ戻る

■美容室を売却するときの注意点

最後に、美容室を売却する際の注意点をいくつかチェックしておきましょう。

居抜き物件の注意点

居抜き売却をする際、リース品がある場合は、リース契約を停止して売却前に返却したり、リース契約の引き継ぎをしたりする必要があります。また、造作譲渡の場合、設備の状態や耐用年数などを考慮にいれて価値が決まる点にも注意が必要です。交渉力のある不動産会社に依頼するのも、高く売るコツのひとつでしょう。

加えて、テナントとして営業している場合、賃貸借契約書において原状回復義務に造作譲渡禁止の旨が記載されていることが多いようです。ただし、契約書に「造作・設備類の譲渡禁止」の条文があっても、交渉できることが多いので、まずは管理会社や大家様に相談してみてください。

M&Aの注意点

M&Aにおける売却額は、「DCF法」や「純資産額+のれん代」といった方法で評価額の算定が行われることが多いですが、美容業は"人"につくビジネスのため、ほかの業種とくらべると従業員の価値が高く、一概には当てはまらない側面を持っています。

また、評価対象が複雑であるため、専門の仲介業者を利用することも多く、その場合には、手数料が必要になることも計算に入れておく必要があります。

また、買い手側が利益となると判断されなければ売却できないため、タイミングや交渉に左右されやすい点や、売却後に経営方針や労働条件が変わってしまう可能性があることにも注意が必要です。
目次へ戻る

■まとめ

美容師・美容院・サロンの売却にはさまざまな方法があります。複数の選択肢を考慮に入れながら、状況や希望に合わせてベストな方法を選びましょう。どのような方法でも、スムーズな手続きとトラブル回避のために、しっかりとした準備と確認が必要です。効果的なポイントを抑えたうえで交渉を行い、よりよい条件での売却を目指しましょう。
目次へ戻る

事例・コラム一覧に戻る

相談無料!秘密厳守!手数料無料!

まずはお気軽にお問合せください

お電話でのご依頼・お問合せ: 0120-977-303
受付時間: 9:30~18:30(土日祝祭日を除く)

Menu